流歌と正樹

第92話

夏が終わり新学期が始まった。





なのに2週間たっても流歌は学校に来ない。





メールをしても帰ってこなしい……




「何かあったのかな……」



そんなことを考えていたら、乱暴に教室のドアが開いた。




音のするほうを見たら流歌がいた。




「流歌!?どうしたの、その髪の毛」



流歌は夏休み前は金髪だったのに、真っ黒になっていた。




彼女が黒髪なのを見たのは中学生ぶりだろうか。




「イメチェン?似合うけど……え、どうしたの!?」




そう聞くと、目線を下げ、小さな声で




「婚約者に正樹のことがバレたの。」と言った。




「え、正樹さんとのことが?」




流歌に婚約者がいた事は知っていた。この学校の生徒の大半が生まれた時からの許嫁がいたり、婚約者がいたりする。




流歌は、婚約者と結婚なんて嫌と言い張り隠れて恋愛をしていた。

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