雷鳴と私
第85話
「最近、雷がひどいわね・・・」
夏も終わりに近づきあと一週間ほどで夏休みも終わろうとしていた。
ここ一週間ほど夕方になると雷が鳴り響きすこし空模様が続いている。
母の家族に会ってから、私はほとんどの時間を家で過ごしていた。
榊に宿題を教えてもらったり、バイオリンの練習をしたりと、外に出なくてもやることはたくさんあった。
夏らしいことを何もしないで夏が終わってしまうのは少し寂しいけれどしょうがない。
次のバイオリンの大会では失敗することが許されないからだ。
時間の許す限り練習していることもあり、篠田に心配されるくらいだった。
「お嬢様」
いつも通りバイオリンを練習していると篠田が来た。
バイオリンを弾く手を止め声のするほうを見た。
「どうしたの?」
「旦那様が本宅でお待ちです。着替えてすぐに書斎に来るようにと。」
「わかったわ。榊、クローゼットからワンピースを出してもらえる?私は顔を洗ってくるから。」
バイオリンをケースにしまいながら、榊に言った。
「はい。」
榊はクローゼットに行き着替えを準備してくれた。
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