第67話

夜になり肝試しが始まった。




一本道で迷うことはないから大丈夫だよね!




「じゃあ、行ってくるね。」




流歌にそう言い森へと歩き出した。




手の中には指輪を持ちながら・・・




どれくらい歩いただろうか。夜なのに暑く、ジワリと汗をかいた。




「こんなに遠かったっけ?あれ?行き止まり?」




一本道のはずなのに行き止まりなんてありえない・・・どこで道を間違えたんだろ・・




来た道を戻っているはずなのに歩いても歩いても森・・・




「これ・・・確実に迷った・・・」



冷や汗をかきながら、これはやばいと思った。




歩き疲れて座り込むと足音が聞こえた。



コツコツ・・・コツ・・




音はどんどん大きくなってくる。




音がしなくなり顔をあげると、きれいな女の子が立っていた。





「迷っちゃったんだね。怖かったでしょ。ああ、泣かないで。」




心配そうに私を見る目を見つめた。




「こっちよ。」差し伸べられる手に自分の手を置き、立ち上がった。




繋いだ手に違和感を感じて二人で目を合わせて手を離した。




「指輪?」





「海に落ちていたの」




私がそう言うと月あかりが指輪を照らした。




「これ私の指輪よ・・・大切な人にもらったの。今日海に落としてしまって・・・見つけてくれてありがとう。」





「よかった。持ち主が見つかって。」

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