たまには優しい執事

第16話

「まったく、何のためにみんなで食事をしているかわからないよね。全く話すことをしないから。うちの家族は。」




ため息をつくと




「お嬢様は、ぜんぜん食べていませんでしたね。」




「うるさい。榊。緊張するからしょうがないでしょ。」




「・・・・」




「何?」




「ただでさえ食が細くて、貧相な体なのに・・・食べなかったら、余計貧相になりますよ。」



憐れそうに私の顔を見る。




「うるさい!朝は顔がパンパンのアン〇ンマンとか言っておきながら、次は貧相とは!!!どれだけ悪口を言えば気が済むの!」




私は、もうっ、と怒りながらスマホをいじった。




「貧相な主に仕えるのは嫌なのでこれをあげます。」




私に向かってポイっと投げたのは、小さなマドレーヌ。




「何これ?」



「俺のおやつ」

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