第78話

「あなたが結だね?」



「結なのね!?」




はいと言えぬまま抱きしめられた。




え?




「そのふたりがあなたの両親よ」




この人たちが私の……………



この人がお母さん………いや紗和子さんのお姉さんで私のほんとのお母さん。




「驚かせてごめんね。あなたにとっての母親は紗和子だものね。紗和子はほんとに死んだのね…………」




彼女は嗚咽を漏らし泣き崩れた。




そういえばこの人は紗和子さんのお姉さんなんだ。



血が繋がっているんだ、死を嘆いているのは私だけではなかったんだ。



できるものならお葬式だって出たかったはずなんだ。




「みっともない姿を晒してすまないね。僕が君の父親の啓太だよ。彼女が君の母親の美和子。紗和子くんのお姉さんだ。覇月と香月とは面識があるようだね」




私は頷いた。

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