その名は烈火

第64話

一方、朱雀姿の少年と陰陽師の覇月は宙を舞い、行方がわからない結を捜索中。




「烈火。どうだ?結の匂いはするかい?」



「今のところはしないね。ここにはいないんじゃないか」




彼らが探す地帯には結はいない。



南西地方に飛ばされてしまったのだから。




「それより、覇月。お前はなぜ、あの時に嘘をついた?」



「嘘?なんのことだい?」



「あいつに真実を告げようと言ったんじゃないのか」



「ああ。あのことか…………今はまだ言えないね。あの子に真実の中の真実を言えてないからね」



「あの女…………よりによってこんな場所に落とされたみたいだな。妖怪が潜む危険地帯に……………」

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