第61話

ゆらゆら揺れてる。



なにかな?



頬になにか落ちてくる。




パチリと瞼を開けた。




そこは暗いくらい洞窟の中。



烏や蝙蝠が潜んでいそうな湿った空間。



私を取り囲む妖しげな妖怪。




ヒヒと不気味な声をあげる。




一方、私は手首足首を縄で縛られていた。




「なに、これ!?」




ガチャガチャと縛られた縄を外そうとするが、二重で金属でも拘束されているため逃れない。




「抵抗しても無駄よ。あなたはベロニカ様に献上する大事な餌なのだから」




献上!?



ベロニカ様?



誰?



だからって、簡単にいうこと聞くわけないじゃん!




「離して!!」



「いいねえ。その顔。そそるね」

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