第20話

お母さんは血を吐いた。




「…………え………?」




真っ赤な真っ赤な色濃い血。



血の海。




「お母さんっ!!」



「逃げなさい………結」



「お母さんたちを置いていけないよっ!」




お母さんの血を止めるために開けられた穴を手で塞いだ。




『うるさいガキめ。まだ、目覚めていないようだな。やつのチカラを』




「結…………はやく、逃げ………」




お母さんは出血多量のせいか力を失い瞼を閉じてしまった。




「お、かあ…………」




手が、冷たい。



イヤイヤイヤ。



認めたくない。



お母さんがあのお母さんが死んでしまうなんて。




「いやー!!」

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