第12話

「はい。もしもし」



『結…………?』




声の主は母。



だけど荒い息をはき、正常ではない声。



お母さんの身になにか起こったのでは。



直感的にそう思った。




「お母さん、どうしたの?何かあったの?」



『ハァハァ…………結。落ち着いて聞いてほしいの。大事な話で…………私はもう時間が残されていないからっ』




時間が残されていない?



どういうこと?




「ちょっ、お母さん?それ…………」



『結。あなたとは血は繋がっていないの…………』




お母さんが衝撃なことを言った。



お母さんと私は血が繋がっていない?



冗談でしょ?



こんな時に冗談言える?



あのお母さんだよ?



………冗談なんて言わない。




『結。あなたのお母さんにあなたの命を託されたの。いつか絶対にあなたに真実を伝えに来る人が絶対に来る。だからそれまでは生きて生き抜くの。あなたは……………』




電話の向こうから声がしない。




お母さん…………!!!

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