第11話
そして、私は放課後になると、図書館に行く地下の通りを懐中電灯を持って図書館の前にきていた。
ドアには南京錠がかけられていた。
入れないと思ったが、南京錠は錆びついて脆く簡単に入ることができた。
キィィと開くと中は本に溢れかえるほどの本棚が並んでいた。
「普通の図書館なのかな?」
懐中電灯で辺りを照らすとひとつだけ気になる本を見つけた。
濃い赤い本。
背丈ほどの高さにあり、触れようとすると静電気が起きて床に落下した。
「え?」
触れていないのに落下した。
触れていないのに静電気が起きた。
なぜ? どうして?
少しだけ不安を抱いた。
「……………」
『開け。開くのです』
あの女の人の声。
開きたい。
そう思ったがスマホが鳴り響いた。
自宅からの電話だった。
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