第90話

翌日から、学校へは朝はももちゃんが送ってくれるようになった。




帰りは、ももちゃんが来れる時は来てくれて来れない日は有栖川さんや東さんが来てくれるようになった。




申し訳ない気持ちはあるけど……それ以上に恐怖が勝ってもう1人では外を歩けない。






極力学校に自分のものは置かないようにしているけど…………




ついに上履きが、片方無くなってもう片方は何かよく分からない液体でベタベタに汚れていた時は流石に泣いた。







「…………妃芽ちゃん………………大丈夫よ。佐々木くんが守れない時は私たちが付いててあげるから。」





有栖川さんは、親衛隊の人たちを呼んで色々お話をしてくれるから気が紛らわしてくれる。





でも……みんな女の人だし…………変な男に襲われたら……と思うと申し訳ない。





「……皆さんごめんなさい。みんな女の人だし…………男が襲いかかってきたらどうしよう……」



泣き始める私に「大丈夫よー」とみんな慰めてくれる。





「私たちは、佐々木くんの親衛隊よ?…………武術くらいはみんなできるの!」





「……え?」



顔を上げると、みんな色々していることを教えてくれた。空手、剣道、柔道、カンフー、合気道、少林寺拳法。




その場にいた6人はそれぞれ色々できるらしい。




有栖川さんに至っては空手と剣道と護身術ができるらしく流石隊長……と、頷ける。






「これくらい出来ないと佐々木くんの親衛隊は勤まらないわ〜。ふふ……だから何も心配しなくていいのよ?」




みんな優しくてホッとする。




ももちゃんが信用している意味がちょっとわかった気がした。

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