第85話

「あれ?…………妃芽ちゃん?……こんな時間になにしているの?」



「あ…………前林くん。」




突然教室に入ってきた前林くんに驚き私はビクッと身震いした。





「……いつもなら帰ってる時間だよね?」




「あ………………うん……落とし物しちゃって。」





「そっか……手伝おうか?」




なんか……笑っている前林くんの顔が怖い。




「あ……ううん、また明日探すことにする。」そう答えると私は逃げるように教室を出た。




外に出ると結構暗くて……長い間探していたことに気がついた。




今日はももちゃんバイトの日だから…………まだ、帰ってきてない。……だから、バレない。






私は少し足早に家へ向かう。




「…………っ!」



どうしよ……誰か…………付けて来てる。

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