第10話

「桃矢!誰よその子!!」





「え?……俺の彼女。」



ヒートアップするお姉さんに、真顔でそう答えるももちゃん。





「……え!?」私は固まる。





「何このちんちくりん……胸もちっちゃいし、桃矢の好みじゃないじゃん!!」





お姉さん……なんて酷いことを……




確かに小さいけども……






そんなこと言わなくても……








「俺が誰と付き合おうと、俺の勝手じゃん…………てゆうか、勝手に合鍵作って部屋入るのやめてよ。返して……鍵。」




……そんなことされてたの…………ももちゃん。







「信じられない!私の方が可愛いし……スタイルだっていいのに……こんな子……」




お姉さんは何故か手に持ってたコンビニの袋から缶ビールを取り出し開ける。






どうした?飲むのか……いま?……ここで?





バシャッ……





「ううっ……くさい……」想像通り…………私はお姉さんにビールをかけられた。






「……私の方がかわいいし!!こんな女!!!!嘘でしょ!!何か証拠見せなさいよ!!」叫び泣くお姉さん。







「…は?………なんでだよ…」






「証拠見せないと次はあんたにビールかけてやる!!」片手にまたビールをもつお姉さん。







いや……ほんと……なんでだよ……

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