第90話

彼女さんの罵声に何一つ耳を傾けず、腕を組みながら静観する慶太くん。



「変じゃないし、あの日は友達と水族館に来たんだ。浮気じゃない。真依がそう思うのは勝手だけどな」



慶太くんの発言に爆発しそうな彼女さん。



慶太くん、それじゃ彼女さんに火に油注いでるだけなのでは?




「真依。用がないならもう行くから」






私の横を立ち止まる男子生徒。



「……また、新井のやつやってるよ。これで彼女、泣かせるの何人目だ?」



え?



男子生徒の言葉に耳を疑った。



「まあ、彼女というよりは毎回、女の子の方が新井に言いよってるだけらしいけど」


「そうそう。新井はずっと片思いしてる女の子がいて毎回断ってるのに、言いよってる女の子がしつこいから仕方なく付き合うふりしてるとか」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る