第41話
涙が流れた。
だって、ずっと会いたかった人が目の前にいる。
「慶太くん………」
知らぬ間に右手が伸びて彼の髪に触れようとした。
「………っ!!」
そうだった。私、幽霊だった。
死んでたんだ。
いくら会いたくても、会いたい人に会えても気づいてくれない。
触れられない。
私の思いも伝えられないのかもしれない。
ぎゅっと右手で服を掴み、悔しさを耐え忍んだ。
気づかれなくてもい。
慶太くんに会えたから。
会えないはずの慶太くんに会えたから。
「慶太くん……ありがとう」
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