第40話

校内にいることにかけて手当り次第探した。


各階の教室。放送室。家庭科室。保健室。


そして、図書室。



図書室には1人の男子生徒しかいなく、イヤホンをしながら参考書を開いていた。


少し漏れた音楽。



この曲、私、知ってる。



長いまつ毛に少しだけたれ目。


あの頃に比べ少し伸びた髪。


背丈もほんの少しだけ変わった気がする。



「だから………」



夢中になりながらブツブツと呟くその仕草。




慶太くんだ。慶太くんだ。



間違いない。彼は私が探してた慶太くん。


ずっと会いたかった人。


好きと伝えたかった人。


あなたに会いたかった。言いたかった。


好きだと。ずっと好きだと。


未練が残るくらい好きだった人。

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