慶太の居場所

第35話

「翔子。例の彼の居場所、わからない?」


「…………」


「些細なことでいいんだ。君がひとつでも思い出せれば僕らは君の手助けができる」



些細なこと………


だって、私はあの事故から………死んでから3年経ってるんでしょ?


思い出せないよ。


些細なことなんてない。


私は遠くから慶太くんをみてただけ。


慶太くんが私の好意に気づいていたわけもなく。


私は慶太くんにとって麗のお飾り。


幼なじみの麗の隣にいる地味な友達としか認識されていなかった。

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