未練

第23話

「私自身、まだ未練があると思うんだ」


「未練?」


「うん。好きな人がいたんだ。同じ中学の同級生で3年間好きだったの。誰にでも優しくて気さくで私の憧れだった。彼……慶太くんは中学卒業したら男子校に行くんだけど、しばらく会えないそう思ったら我慢できなくてラブレター書いちゃった。卒業式が終わったら中庭で告白するつもりだった。両思いになんてなれなくてもいい。ただ、私の気持ちを知って欲しかった」



だけど、私は死んだ。


思いを伝えられなかった。



「三ツ矢翔子の未練は新井慶太への思いか」

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