第17話

そんな中、チリンと鈴の音が鳴る。



「え?」



振り返ると、首に鈴をつけた2匹の黒猫が現れる。



「黒猫……?」



この黒猫、私が事故で死んだ日、私が助けた猫だった。



猫に触ろうとした時、とっさに手を引っ込めた。



「………私、触れないんだった」



笑えないのに、笑ってみる。



「私、猫好きなのにな」



泣けてきた。理由がありすぎて泣いてる理由は分からないけど。



「サワレルゾ」


「えっ」



どこからか声が。


周りを見渡しても誰もいない。


第一、今の私は誰かに理解されるはずがない。


ということは、喋ったのは目の前の猫…?

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