第91話
私のせいで光は壊れてしまった。
「ごめ……っ…ごめん…りゅう……私、わたし…私のいない世界で、新しい人生を貴方が歩めるならそれでいいと思った…」
彼が幸せなら…
何度も私の首に触れた手は動かない。
そんな手に触れるようなキスをした。
「私……一度だってりゅうに死んでほしいなんて思った事ない。初めて会った瞬間から特別で…こんなこと……許されないってわかってるけど…貴方と共に…」
優しく握っていた手をぎゅっと握りしめる。
「貴方と共に…生きていきたいと思うの。貴方の全てを受け止めたい。」
握っていた手は冷たい。
そんな手が少しだけ握り返してきた気がした。
「りゅう?」小さく声をかけると彼は目を開けた。
ぼうっとした目で私を見る。
喉が渇いているようでうまく声を出すかだができない彼。
優馬さんは気を利かせてから、いつの間にか病室から出ていた。
車椅子で冷蔵庫まで向かうとペットボトルを出した。
その水を口に含むと彼にキスをした。
彼はゆっくりとその水を飲み私の目を見つめた。
「みなみ…俺……みなみのこと…愛してる。ずっと言えなかった。」
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