第49話
アングルは随分したから取られている。
きっと地面にカメラを置いて、タイマーで撮ったのだろう。
垢抜ける前の懐かしい彼の横には、知らない女性がいた。
何だか派手そう。というか、左腕は彼の腕に手を回して、右手でピースをして笑っている。
その横で彼は少し恥ずかしそうに微笑んでいた。
それをじっと見つめていると彼がいつの間にかシャワーから出てきたみたいだった。
「どうかした?」彼は私に聞いてきた。「この人って……元カノとかですか?」恐る恐る聞くと彼は微笑んで「違うよ。」と言った。
少しだけホッとした。あまりにもタイプが違う彼女が元カノと言われてしまうとこれからどうしていいか分からない。
「じゃあ、友達とか?」そう聞くと「うーん……そういうのじゃないんだ。でも、大切な人だったよ。」そう言った。
その瞬間分かってしまった。
彼は今でも彼女のことを考えている。
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