義兄
第40話
結局姉は当初結婚するはずだった人とは結婚しなかった。
代わりに弟の五条優馬さんという人と結婚することになったらしい。
妹の私には何でそんなことになったのか分からなかった。
結婚式は盛大に行われた。姉は笑顔を見せていたが、望んでいない結婚と思うと仲が良くないと言えど同情した。
一年経ち、正月に挨拶に来た姉は痩せて細っていた。
それを心配するような両親ではない。
でも、想像と違っていたのは優馬さんの人柄だった。
姉は挨拶を済ませるとすぐに外に出て行ってしまった。
優馬さんは玄関に飾ってある絵を見て「いい絵だ…はなちゃんが描いたの?」と聞いてきた。
頷くと「絵の勉強を続けな。才能あるよ。」と言ってくれた。
それ以降も私を気遣ってくれることが多かった。
姉のことも気を遣っているイメージだった。
姉の好きな食べ物や好きなものを私に聞いてくることもあった。
まぁ、仲がいいわけでもなかったから答えられることは少なかったけど。
そんな優馬さんに反抗的な態度をとる姉が不思議だった。
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