第37話
姉の婚約が決まった。
五条さんという大きな会社の社長さんとの結婚だ。
後から聞いた話では姉より25歳年上の人で、あまりいい噂がない人だった。
でも、お金は持っているし会社や私たちの暮らしも援助してくれるらしい。
姉はその話を笑って承諾していた。
両親から言われて、反抗なんて少しもしかなかった。
婚約が決まってから会社も少しずつ安定してきて、援助してもらったお金で引っ越すこともできた。
部屋は1人部屋になったし、快適そのものだった。
私は高校は私立の美術科に入った。
母や父もそれを薦めてくれたからだ。
私はその生活が姉の犠牲で成り立っているなんて考えてもいなかった。
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