第15話

私がいなくなったらそれなりに大事にはなるし、男と逃げたこと分かったらもう出資はして貰えない。




「……そう。」彼とこれ程の会話をして交わしたのは初めてかもしれない。






私はシャワーを浴びるために自室に戻った。





衣類を持ってバスルームに向かう。




全身が見える大きな鏡には自分が映っていて、両首にあるキスマークが気持ちの悪く主張していた。





このキスマークを付けたどちらでもない男と逃げるんだ。






私が1番気持ちの悪い人間なのかもしれない。





そう思うと少しだけ笑えてきた。





お風呂からでて荷物をまとめた。彼は仕事を終わらせて眠っているみたいだった。





彼の生活は不規則だ。仕事が終わったら寝ているみたいで、時間はバラバラだ。





テーブルには私好みに味付けされた冷製パスタが置いてあった。





あの人は、私が今日出ていくのを知らない。






私はパスタを食べ終わると、離婚届を置き手紙と一緒に机の上に置いた。

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