第50話

「あの⋯」


「ん?」



すごく喉が乾いていた私にとって、グラスに入った冷たいお茶は美味しくて。私は床に座り、お茶の美味しさに泣きそうになった。

雅はベットに寝転びながらスマホをさわっていた。



「ここって⋯、どういう建物なんでしょうか⋯?」


「え?」


私の質問に少し驚いた表情をした雅は、「知らないの?」と、スマホを枕元に置き、私の方を見つめてきた。

知らないも何も、ここには初めて来たのだから。



「ここは本拠地で俺らの家」


「⋯本拠地?家?」


「そ、メビウスの」


「⋯メビウス?」


「まさか、それも知らない?」



私は顔を縦に動かす。

動かせば、雅はまた驚いた表情をし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る