第27話
「答えろ」
低く呟かれ、私は怒らせてしまわないように口を開いた。
「⋯じ、んってひとか⋯、さっきの⋯ひと⋯」
璃久という男は、私にまだ指1本ふれてもいないから⋯。
「痛てぇだろ、腫れてんじゃねぇか」
その言葉に、また涙が溢れてきた。
私を心配してくれるその言葉。
ここに来て、誰もそんな事を言わなかった。私を心配してくれる人なんて、いなかった。
私は、思った。
この人なら助けてくれるかもしれないと。
誤解がとけるかもしれない。
銀色の髪をして、とても怖そうな蛇みたいな目付きをしているけど、本当はいい人なんじゃないかと期待してしまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます