第27話

「答えろ」


低く呟かれ、私は怒らせてしまわないように口を開いた。



「⋯じ、んってひとか⋯、さっきの⋯ひと⋯」



璃久という男は、私にまだ指1本ふれてもいないから⋯。



「痛てぇだろ、腫れてんじゃねぇか」


その言葉に、また涙が溢れてきた。


私を心配してくれるその言葉。

ここに来て、誰もそんな事を言わなかった。私を心配してくれる人なんて、いなかった。




私は、思った。


この人なら助けてくれるかもしれないと。


誤解がとけるかもしれない。


銀色の髪をして、とても怖そうな蛇みたいな目付きをしているけど、本当はいい人なんじゃないかと期待してしまい。

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