第6話

「ほんと、こーんな危ないところに来て、見つからないとでも思ったの?」


ニコニコと笑いかけてくるけど、今から廻されると思っている私は全く安心出来なくて。



「あたし⋯ほんと⋯なにもっ⋯」


「あーもういいよ、言い訳は」



言い訳じゃないのに。本当の事なのにっ。



「あーあ、首痕ついてるじゃん、可哀想に」


本当にそう思っているのか。世那と呼ばれた男は、ニコニコと笑いながら、私の腕を掴む。


「や、⋯いや⋯」


恐怖で震えながら世那から後ずさるけど、それを許してくれない世那は、先程まで自身が座っていたソファへと、私を投げた。


床に膝をつき、上半身だけソファに預けている私は、恐怖で後ろへ振り向くことが出来なかった。

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