第89話

「こんなの見せられて浮気じゃないって言われて誰が信じる?」




昂の高圧的な態度。


今までは私に無関心だったくせに世間体が悪くなると私に干渉してるだけ。


自分が都合悪くなるとこうなるんだ。


知らなかった。何だか騙された気分。


もう私が知ってる昂は戻ってこない。


これが昂の本当の姿なのだから。



「昂は……どうなの?」


「は?」



怪訝な顔で私を睨みつける昂。


今日は反論しなきゃ。



「昂、ここ数年で変わったよね…あの頃の優しい昂はどこに行ったの?何しても全否定する昂が嫌だった。冷たくて私には関心なくて…仮に私が浮気しても仕方ないんじゃない?私はたくさん努力した!たくさん昂に歩み寄ったつもりだよ!?だけど昂は受け入れてくれなかった…寧ろ私の好意を蔑ろにしたよね!?私、限界だよ……別れてください」

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