第70話

田中くんが食器を下げ洗い物をしてる最中に荷物をまとめる。



「えっ一ノ瀬帰るのか?」


「……うん。長居するのも悪いし」


「けどお菓子はどうすんだよ。それに、キーホルダーだって……」



田中くんは蛇口を止めた。



「お菓子なんか別にいらない…キーホルダーだってはじめから私に返す気ないよね?」


「………っ」



田中くんはまるで図星みたいな顔をした。


田中くんて、こんな分かりやすい顔する人だったかな?



「待って……」



後ろから抱きしめられた。



「一ノ瀬は……俺が嫌い?一緒にいたくないの?」


「………っ」

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