第33話

「それより川田、陵。おめでとう」


「え、」


「なんだよ、改まって」


「直接言いたかったからさ」



田中くんは穏やかに笑った。



「紘のくせに生意気」


「何だよ、それ」



瑠奈と松本くんは嬉しそうに笑った。



気づけば0時になっていた。



「そろそろお開きにしようか。私と陵は先に帰るね。ばいばい」



ヒラヒラと手を振る瑠奈。


瑠奈はさりげなくウインクで合図を送る。


まるで頑張ってと言われるようで。

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