第59話

とうとう私も卒業が近づいてきた。





自由登校期間になったため、殆ど学校にはいっていない。




古本屋のバイトをしながら本を読む毎日を続けている。





ふとした時に、洋と彼女のことを思い出した。





なんでこんな気持ちになるのかはわからないままだ。





3月になり、私は卒業した。





楽しいばかりの高校生活ではなかったけど、この高校に入ったことを後悔はしていない。




「先輩!あの、どうしても付き合っては貰えませんか?」犬飼くんが聞いてきた。





彼は最後まで私にアプローチをしていた。





「ごめんね。犬飼くんがいい人ってことはわかったよ。でも、付き合うことはできない。」そう言うと彼は「そうですか…わかりました。」と言いニコッと笑った。





「一つ聞いてもいい?」ずっと聞きたかったことがあった。




「?…はい。いいですよ。」彼は不思議そうな顔をした。





「なんで、私を好きになったの?」私は自分に魅力なんて感じられない。

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