第57話
きっと、洋の彼女だ。
私はその場で立ち止まった。
いつのまにか2人は私の視界から消えていなくなった。
「そうだよね…彼女くらいいるよね…」なんで傷ついているか、わからなかった。
私のものでもなんでもない。
ただ、優しくしてくれただけ。
それだけなのに、胸がチクチクとした。
後ろから「リーン!」と呼ばれ、振り返ると大きなクレープを頬張っている誠くんがいた。
「勝手にいなくなるなよ。」と言われて「ごめんね。」と言った。「なんかあった?」と聞かれたけど、洋がいた事は話さなかった。
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