高校3年生

第54話

高校三年生になった。




今年は誠くんと同じクラスになった。





誠くんは学校に来たり来なかったりする。気分で決めているそうだ。





裕二さんとゲームをしたり、誠くんと一輪車をしたり

小学生のような遊びをよくしている。





学校にくる日は午前中には来る誠くんが今日はお昼まで顔を見ていない。





と言うことは、今日は来ないのだろう。






「あの!渡辺先輩いますか?」放課後になり帰ろうと思ったら教室に男の子が現れた。





ネクタイの色からするに一年生だろう。





私は部活も委員会も入っていないから、後輩と関わりなんてないんだけどな…と思いながらドアまで近づいた。





彼は、少し俯いていたのに顔をバッと上げると「先輩!俺と付き合ってください。」と言ってきた。





あまりに大きな声で言うからクラスの人たちが注目している。





「鷹村先輩と付き合っていること知っています。でも…好きなんです!!!」手を差し出しながら頭を下げた。




こんな場所で言うのもあれだけど…「誠くんとは付き合ってないよ。でも、ごめんね。君のことよく知らないし、誰とも付き合う気はないの。」私はそう言って断った。





母を見て育ったからかもしれない。





自分が男の人と付き合う所が想像できない。





洋や裕二さんや誠くんは私を恋愛対象として見て来ないから仲良くできる。




信頼している人以外がそばに居るのが私は怖い。

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