高校2年生
第43話
新学期になってしまった。
新しいクラスは香織ちゃんはいなかった。
というか、ほとんど知らない顔だった。
クラスの人たちは私の顔を見てコソコソ話をしている。
一年生の時の出来事でそこそこ有名になってしまったらしい。
「渡辺鈴ってこのクラス?」派手目な男の子が教室に入ってきた。
こんな人、私は知らない。
私は立ち上がって「私ですけど…」と答えた。
クラスの人たちは男の子と目を合わさないように下を向いている。
「………ふーん…ちょっと、用があるんだけど。」
これは逃げられない。そう思って私は彼について教室を出た。
連れて行かれた場所は屋上だった。
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