第16話

特に反応を示さない私を見てクラスの人たちはつまらなそうな顔をした。





帰り道本屋に立ち寄ってみたけど中古で同じ教科書は置いてなかった。




「やっぱり買いなおしかな…」お金があるわけではないからこう言う出費は結構痛い。





仕方なく何も買わずに家に帰ると中から賑やかな声がした。





「ママ?」


リビングに入ると嬉しそうに笑うママと知らない男の人がいた。






「鈴おかえり」ママが私の顔を見て名前を呼ぶなんて何年ぶりだろう。





「ただいま」呆気に取られながら答えると





「久しぶりって…始めましてか!君のパパだよ」チャラい男の人はサラッとそんなことを行った。





「え?」わたしは驚きながらママの方を見た。





「私のとこに戻ってきてくれたの。これからはずっと一緒に暮らすのよ。」




嬉しそうなママな顔なんて久々で私も嬉しかった。





この時はこれから大変な毎日が待っているなんて思わなかった。

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