第5話
私は『什のお話』を実際に見るのは初めて。
はしたないと思いつつも好奇心には勝てず、そのまま庭の端の大きな濃桃のツツジの陰に隠れて、障子の開け放たれた座敷の中の様子を覗いた。
お仲間がたが全員集まると、皆さまは円を描くようにして座り、母さまが人数分のお水を出しておもてなしします。
夏は水。冬は白湯。
それしかもてなしてはならないと、決められているそうです。
「おい。今日の座長は誰だ?」
「
俊彦と呼ばれた男の子は、先ほど兄さまと話されていたお方。
美少年だわ、と思った。
色白でスラリと鼻筋が通ってて。
背も高くていらっしゃる。
俊彦さまは 「ああ」 と頷いてゴホンと咳ばらいをなさると、涼やかな声を張りあげました。
「それでは『お話』を始めます。まずは掟の唱和を」
「?」と 見ていると、いきなり大音声が聞こえてきて、驚いた私は思わず肩をすくめた。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます