第78話

「────痛いっ、痛い!!」


首筋に強い痛みが走る。

首筋に顔を埋めた辰巳は、思いっきり私の首筋に噛み付いた。




痛すぎて、抵抗ってやつを思い出した私は辰巳から逃れるように体を動かした。

けれども辰巳の歯の食い込みが強くなるばかりで、離れてはくれない。


あまりの痛さに涙もでない。



「痛いってばっ!! 離してっ!!」



血の匂いが鼻につく。


首筋から何かが流れ落ちる。



ほんとに痛いっ、


ガクガクと足が震える。

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