「あのね、人が挨拶してんのに『うざい』って普通は言わないでしょうが！」

「あぁ？」

「だから、『おはよう』って言いなさいよ」

「……ぶん殴るぞテメェ」

「女の子殴るとか最低だし」

「離せや！」

「だから『おはよう』って言ってくれたら離すわよっ」

「マジ殴んぞ」

「私、普通の事言ってるだけなんだけど」

「……」

辰巳が私を睨んで、私も辰巳を睨む。

ほんの少しの間沈黙が流れた。

沈黙が流れる中、先に行動したのは辰巳の方だった。

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