第9話
座り込んで10分がたち、暑さのためもう一度深いため息をつこうとした時、
「なに?」
という、低い声で、私は顔を上げた。
ふわりと揺れる茶髪
警戒心がある鋭い目。
怪訝な顔なのに、どこか幼くて。
歳は私と同じぐらいだろうか?
手にはなにやらスーパーの袋のような物を持っていて。
「あ、き、『KINOSAKI』の人ですか!?」
座り込んでいた私は立ち上がり、“男の子”に向かって声を上げていた。
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