第20話
「お父さんの基準みたい」
『基準?』
「そう」
『男の中の男ってのはよく分かんねぇけど⋯、まあ、真希だけの男ってのは確かだな』
私だけの晃貴⋯。
嬉しくて顔がほころぶ。
『ってかお前、帰ってから寝たのか?』
「ううん、起きてたよ。帰ってから寝てない」
『寝ろよ、クマ出来ても知らねぇぞ』
私のクマの心配をしてくれる晃貴は、お父さんの中では、私を大事に思っているらしく。
「晃貴」
『ん?』
「ずっと一緒にいてね」
『今更すぎ』
クマが出来たとしても、こうして晃貴と繋がっていたい。
私にとっても、晃貴は大事な存在なのだから―――⋯
おわり
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