第8話

「ごめんなさい⋯」


「人の耳元で他の男の名前呼びやがって」


「晃貴⋯」


「最悪の目覚めだな」


「⋯ごめん⋯」


「謝ったらいいと思ってんのかよ」



思ってないけど⋯。

じゃあなんて言えばいいの?



「⋯どうすれば許してくれるの?」


「あ?」


「どうすれば機嫌直る?」


「⋯」


「もうしないから⋯怒らないで⋯」



私は晃貴の顔を見つめ、晃貴の髪に触れた。

私が言って、真っ黒になった晃貴の髪⋯。

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