嫉妬 晃貴Ver.

第1話

「え!それ市川さんも読んでるの!?」



学校の昼休み時間、自分の机で本を読んでいる私に話かけてくれた男の子は、今年2年にあがってから一緒のクラスメイトになった子だった。



黒髪に、黒髪に眼鏡。

一見大人しそうに見える男の子は、「読んでる人初めて見た!好きなの!?」と、性格はあまり大人しくないみたいで。



「⋯えっと⋯」


「いい趣味してるよ!その作者マイナーだから全然知られてないんだよ!」


「そ、そうなんだ⋯」



2年になったばっかりで、正直、男の子の名前も分からず。1度も喋ったことが無かったから、話しかけて来たことに驚いて。

少し圧倒された私は、ちょっと顔が引きつって。



「もう新作出るって言うし!それ、前の作品と繋がってるみたいだし、すっごく楽しみじゃない?」



楽しみじゃない?って言われても⋯。

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