第76話

送ってもらうと「ありがとう」と言い、家に入った。




きっと今日も日向に呼ばれる。でも、お父さんが怒るだろう。





行くのはやめたほうがいいかもしれない。




そう思って、家に入る。




案の定家の中は荒れていた。




廊下までお酒は散らばり、リビングはぐちゃぐちゃ。いろんなものが割れていた。





お父さんは、リビングにはいなくて、部屋に近寄ると、物音がしたため、きっと執筆中だろう。





やっぱり今日は行くのが無理だと思った。




そう思った瞬間、電話が鳴った。




電話を取ると「リリちゃん?」とか細い声が聞こえた。




今すぐそっちに行ってあげたいけど、行くことはできない。




「お願い、今からきて。」




そういう彼に、「お父さんが起きてて行けそうにない。」と伝えると「遅くてもいいから。」そう、すがるように言われた。





私は「わかった。」と言った。

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