第15話

「こわいな・・・」




小さく呟きながら歩く。



家の近くにあるコンビニと隣のビルの間に人影が見えた。




よく見ると人が壁にもたれかかっていた。




私は近づくと口元から血を流していた。





放っておいてもよかったが、コンビニでハンカチを濡らし彼のもとまでいった。





「これ、つかって。濡らしてきたから。」




彼は私を見上げる。



びっくりするほどきれいな顔をしている。




中世的な顔だ。




私をじっと見る彼に「ほらっ」とハンカチを差し出すと彼は受け取った。



私は、ハンカチを受け取らせると「じゃあね。」と声をかけて帰った。




手当をしてあげたいが、もう11時に近い。お父さんにばれるわけにはいかないから早く帰らなければいけなかった。

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