プロローグ
第1話
『リリちゃん・・・今から来れる?』
電話越しに聞こえる愛しい人の声に胸がときめく音がした。
もう夜の22時に電話をしてくる人は私の知り合いには、彼しかいない。
「今から?」
流石に夜遅いこともありもうお風呂にも入ってしまった。徒歩で20分かかる彼の家に今から行くのは正直に言うと少し面倒でもある。
『お願い・・・どうしても会いたくて・・・・寂しい。』
捨てられた子犬のような声で、ねだる彼を邪険に扱うことはできなくて、私は
「わかった。今から行くね。」
そう答えるのだ。
こんな夜遅くに家を出ると怒られてしまう。ばれないようにこっそりと家に出た。
外は、冬ということもあり少し冷える。
上着を持ってこなかったことに少しだけ後悔しながら彼の家まで走った。
電話を切ってから、15分くらいで着くことができた。
インターホンは鳴らさずに彼の住むマンションに入る。
玄関で体操すわりをしながら私を待っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます