第340話

「お兄ちゃんがここに残れって言うの」


「さっき電話で言ってたな」


「うん、和臣と離れない方がいいって」


「うん」


「でも私にとっては侑李も大事な存在だから。今日お母さん達に「行く」って言ったの」


「うん」


「そしたらお兄ちゃんが大反対」



あの後、お母さん達抱きしめられながら、私は「侑李と一緒に行くよ」と言った。

それを聞いた兄が、「今の話聞いてたなら分かるだろ!」と大きな声を出し。




「うん」


「それで私が、和臣はずっと私の事を想ってくれてるから大丈夫だよって言ったらお兄ちゃん黙っちゃって、大きな声出すのやめて、「·····分かった」って。それからもう反対しなくなった」


「そうか」


「和臣のこと、すごく信用してるんだなって思った」



私の言葉を聞いて、小さく笑った和臣は、「それは違うよ」と、少し私を引き寄せた。



「信用してくれてるってのも間違いではないけど」



和臣は反対の手で、私の膝元にふれ。

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