第82話

まるでぽっかり心の中に穴が開いたような感覚だった。


「お姉ちゃん、今日お兄ちゃんが来たんだよ」


「そうなの?良かったね」


「お兄ちゃん、また髪色変わってたね」



嬉しそうに話す侑李を見れば、私も嬉しくなる。



「それより侑李、体調は大丈夫なの?さっきお昼残してたって言ってたよ?」


「だって酢の物だったんだもん·····あれ嫌い·····」


「ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ」


「うーーー·····」



しょげてる侑李も可愛くて。


頭を撫でると、子犬のように笑う侑李が、本当に愛おしい。




「あ、雨だ。お姉ちゃん、雨降ってるよ。傘持ってきてるの?」


侑李が外をみて、私の事を心配してくれる。



「持ってきてるよ」


雨が降ると、どうしても思ってしまう。

彼は大丈夫なのかって·····。

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