第78話

多分、彼は侑李と同じ病院で、診てもらって今もリハビリで通ってるのだろう。二度と会えない相手じゃない·····。探せば何とか会えるかもしれない。



探す?私が?


私にそんな資格ある?



私が和臣を置いてきてしまったのに?

私が、諦めるよう言ったのに?



出来るわけがない。

もう遅い。


ふふふと、乾いた笑いが漏れた。




「··········バカみたい··········」




もし会えたとして、私は何を言うつもりなの?

付き合えないけど、関わりを持ちたいって?



もう·····忘れよう、彼のことは。


和臣を、思い出のひとつにすればいい事なのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る