第76話
私がもう来ないでって言ったのに。
私がもう会わないって言ったのに。
最近、本当に走ることか多い気がする。
雨のせいで靴の中がぐちゃぐちゃで、走ってるせいで雨が体にあたる。傘の意味無いんじゃないかってぐらい、制服が濡れる。
ハアハアと、息切れが酷いのに、私は走ることをやめなかった。
自分自身で、自分の未来に和臣がいないことを選んだというのに、どうして私は後悔してるの?
どうして私は、怪我を負ってる人を置いてきてしまったの·····。
色んな思いが交差する中、病院の前まで来た。
涙を流す私の前には、和臣はもういなかった。
もう本当に、二度と会えない人になってしまったのだ。
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