第34話

「あんまり頑張りすぎんなよ」


お兄ちゃんの冷たくて気持ちいい手が、私の熱い頭を撫でる。その行動に泣きそうになった。



嬉しさの反面、苛立ちという感情が心の中に芽生えてくる。



頑張りすぎなのは、お兄ちゃんが何もしないから·····。

食べ終わったあとのお皿さえ、運ばない。


全ての家事は私。



お兄ちゃんはいつも遊んでる。

カラオケとか買い物も行くんでしょ?

映画も見に行くんでしょう?




両親も·····私に任せっきり。


頑張るのは、押し付けてくるからでしょう?



3人が何もしないから、私がしなくちゃいけない。



ねぇ、そうでしょ?



侑李の事は好き。



大好き。



本当に大事な弟·····。



でもやっぱり思ってしまう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る